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膝関節外科は、スポーツや交通事故等により膝関節に加えられた外傷による障害や関節内の構成体の損傷が放置されたり、その他の原因による二次的な変化としての変形による障害に対して、その関節機能の再獲得を目的として行われる手術療法です。
例えば、関節内の構成体である半月板損傷や靭帯断裂に対する関節鏡視下手術、膝蓋骨脱臼に対する観血的整復術、関節内骨折に対する観血的整復固定術等が含まれます。
また、半月板損傷や関節軟骨損傷等が放置された結果に生じた膝内反変形に対する高位脛骨骨切り術もこの中に含まれるものです。
手術前
前十字靭帯断裂と外側側副靭帯断裂を伴った膝関節骨折例。
脛骨骨折内に大腿骨外側が陥入している。
手術後
2本の断裂した靭帯を固定し、脛骨での関節内骨折を整復固定した。
手術前
関節の下部に内反変形が認められる状態。
( FTA 185°)
手術後
高位脛骨骨切り術により、内反変形が矯正されてる。
( FTA 167°)

関節鏡視下手術は、わずか4mm径の皮膚を開け、その穴の中に内視鏡の一種である関節鏡を挿入して、半月板損傷や靭帯断裂に対する手術を行うものです。例えば半月板損傷に対しては、構造上その多くが自然に治癒しないため、半月板損傷部を縫合したり、部分切除を行います。出来る限り半月板を温存するように努めています。

半月板縫合術及び半月板切除術は、日帰り手術となっていて、手術日に入院し、同日退院できます。すべて全身麻酔にて行いますので、手術に際しての痛み等の心配はありません。

内側々副靱帯断裂はポピュラーな損傷ですが、その多くは保存的治療により改善され、手術的治療を行う例はむしろ少ないです。それに対して前十字靭帯断裂関節内に存在する靭帯であるという特徴から断裂した場合、ほとんどが自然に治癒することがありません。また膝の不安定さやその後の半月板損傷や関節軟骨損傷の合併が多く発生し、膝関節の予後を悪化させることから、今では自分の腱を用いて関節鏡視下にて靭帯の再建術が行われます。
最近の研究の結果、前十字靭帯は前内側束(AM束)と後外側束(PL束)の二重構造になっていることが明らかにされ、この解剖学的構造を再現し、膝関節の安定をより改善することを目的として、前十字靭帯断裂の再建術は、解剖学的二重再建法を行うようになっています。

以前は、前十字靭帯の再建術を行った場合は、二週間の入院を必要としていましたが、現在は手術日の一日のみの入院になっていまして、翌日には退院可能となっています。

膝関節内の中央の靭帯のうち、前方の靭帯が断裂しています。
( 関節鏡視下前十字靭帯再建術 )
(手術前の関節鏡視像)
前十字靭帯が大腿骨付着部で断裂し、その先端が先細りしている。
(再建術後1年での再鏡視像)
断裂した前十字靭帯が血行を伴った靭帯として再建されている。
関節鏡にて確認された半月板損傷例
外側半月板横断裂
内側半月板縦断裂
リハビリテーションの中でも特に運動器リハビリテーションは、筋肉、骨、靭帯、関節といった運動器の損傷や障害によって生じた機能障害を温熱や電気を用いて治療する物理療法と運動療法により回復させる事を目的に行われるものです。 例えば、さまざまな原因によって生じた腰痛症に対しては、従来より温熱療法、電気治療といった物理療法や牽引療法が保存療法の主な治療法として行われていますが、当クリニックではストレッチ運動や筋力強化運動等の運動療法を中心とした治療を行っています。さらに膝関節疾患に対しては、それぞれの関節障害の原因に応じた運動療法をすすめています。 例えば、膝前十字靭帯断裂に対する術後のリハビリテーションは、術前・術後に生じた膝関節伸筋や屈筋の筋力低下に対する筋力強化や関節可動域制限改善のための運動療法を行っています。更に術後の経過期間に応じて運動機能の強化プログラムを追加していくよう指導しています。殊に術後の靭帯再断裂を防止するための各種のジャンプ訓練を筋力の回復に従って組み入れて実施しています。 一方高齢者の場合には、下肢の運動機能低下による運動器不安定症(またはロコモ症候群)が生じてくるため転倒しやすくなります。この転倒がその後の生命予後を左右するため、下肢の筋力強化とともに各種のバランス訓練を指導し、転倒予防のためのリハビリテーションプログラムを進めています。
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スポーツ障害は、バスケットボール、サッカー、野球等のスポーツ活動中に生じた運動機能障害をいいます。
肩関節、股関節、膝関節などの大きな関節がその損傷の頻度として高い訳ですが、スポーツ種目による特殊性もあります。
例えば野球では、肩関節や肘関節に損傷が多く認められていますが、一方バスケットボールやバレーボール等は、膝関節や足関節の損傷の頻度が高いといえます。その為、その損傷に対する治療や対処の仕方もそれぞれの種目の特徴に応じたものが選択されます。